
もう12年も前になりますか。
我が家では「キーパ」という犬を買っていました。
シェルティで、太っちょで小さい、
心臓にちょっと欠陥のある、
可愛い可愛いわんこでした。
我が家の愛犬でした。
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キーパは僕が中学生の頃に、
我が家にやってきました。
庭で放し飼いで飼っていて、
近所のお散歩にも一緒に行きました。
一度門を勝手に出たことがあり、
あちこち探したら、
車道のド真ん中で腰を抜かしていて、
車が全てストップしていたこともありました。
ケーキが大好きで、誕生日にケーキを出すと、
うれしくて、お座りをしたままにじり寄ってきました。
えびの尻尾も大好きでした。
お肉も大好きでした。
好物がご飯に出ると、
「お手!」と言ったとき、
何度も何度もお手をしてきました。
太っちょだったので、走りながら曲がると、
お尻が重いため遠心力で引っ張られて、
そのまま転がってしまっていました。
とても鈍い犬で、
ボールを投げても、全く反応せず、
ずっとこっちを見て尻尾を振っているだけでした。
お風呂が大嫌いでした。
全く番犬には向いておらず、
家族以外の人が大好きで、
水道管工事のおじさんとかがくると、
尻尾を振って走り寄っていきました。
一度心臓が止まったときは、
病院で、家族全員でずっとお祈りをしていました。
そのときは、奇跡的に病状は回復しました。
僕が高校生になり、大学生になり、
社会人となって働きはじめた、ある夜。
僕が帰ってくると、
いつものように、キーパがこちらを見ていました。
僕はキーパと目を合わせて、ただいまの合図を送り、
家に入りました。
翌朝、家を出ると、
玄関の前で、
キーパが横倒しに倒れて、
死んでいました。
キーパのことを思い出すと、
必ず、あの夜のことを思い出します。
なんであの晩、頭をなでたり、
抱っこしてあげたりしなかったのだろうと、
こちらを見るキーパの瞳の中に、
どうして何のサインも感じることができなかったのだろうと、
12年たった今でも、
時にいたたまれない思いにとらわれます。
一方で、たくさんの、優しくて暖かい思い出をくれて、
ホントにありがとうと、
そういう感謝の気持ちもわいてきます。
可愛くて素直ないい子だったなあ。最高でした。
「クレヨンしんちゃんの13年後」というFlashムービーを見て、
ふと、そんなことを思い出しました。
Say Hello! あのこによろしく。
イワサキユキオ (著), 糸井 重里 (編集)

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