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rose vol.3
大学院の二年目ともなると、研究室が自分の部屋みたいなものになる。
最近では連日徹夜の実験も珍しくない。いきおい、手伝ってくれる下級生は欠かせない存在になる。ケイはまだ4年生だが、頭の回転が早く、才能のある奴だ。口数が少ないので、時々何を考えているのかわからない時があるが、そんなことはたいした問題じゃない。とにかく、俺はケイが気に入っていた。
そのケイは、今俺の向かいの席で、端末に向かってなにやら作業をしている。
今朝まで俺の部屋に居たことなど、既に忘れているようだ。
「どう、はかどってる?」
古い扉をギイと鳴らしながら、院の先輩、カズさんが入ってきた。
「まあまあですね。今夜にかけてまた実験するんで、明日には目処がつくと思います」
「いいねー!じゃ、期待してようかな」
カズさんは今日は機嫌がいい。
ケイの方を向いて励ましの言葉をかけようとしたカズさんの動きが一瞬止まった。
「あれ、ケイ、そのシャツ。ナオも持ってなかったっけ」
July 15, 2004 in rose_薔薇編 | 固定リンク
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