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rose vol.7
夕方から振り出した雨が、研究室の窓を叩いている。
向かいの席からケイがキーボードに指を走らせる乾いた音が聞こえる。
すべてのデータのチェックを終えると、俺は大きくため息をついた。
椅子から立ち上がって窓に凭れかかる。ガラスの冷たさが時間をおいてジン、と伝わってきた。ぼんやりとした視界にケイの横顔が映る。
頬に落ちた睫毛の影。ピアノのキイを叩くように踊る指先。
吸い寄せられるように彼に近づき、現実の感触を確かめるように頬にふれる。そのまま滑り込むように背中から抱きすくめた。
キイの音が止み、部屋が静寂で満たされる。
(どうして)
唇を動かしても声にならない。
黒目がちのケイの瞳がディスプレイを離れ、ゆっくりとこちらを向く。
「……僕です、ナオさん」
ざあ、と大粒の雨が研究室の窓を叩く。
ケイを抱きしめた腕に、一瞬力が入り、そして抜けた。
July 21, 2004 in rose_薔薇編 | 固定リンク
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