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rose vol.8
「憧れてたんです」
S大の教授を尊敬していたとケイは呟いた。
S大の受験に失敗して、この大学に来てからも、その教授のゼミに入った友人と連絡を取り合っていたのだという。
「院に入る気があるなら教授に口を利いてやる、そのためにはこのデータが必要だと言われて……」
「バカだな」
頭の芯がくらくらする。後ろにあったソファに倒れこむように座ると、古くなった骨組みがギィと音をたてた。
「そんな話、真に受けるなんて……」
「すみませんでした」
薄暗くなった部屋で、ディスプレイの明かりがやけに眩しい。
「お前なら……どこにいたって一流になれるんだ」
言いかけて、ふとあることに思い至る。
「そんなお前がなんでデータに跡を残してるんだよ?お前なら、もっと……上手くやれるはずだろ」
「わかりません」
ディスプレイの青い光に照らされたケイの顔が歪んだように見えた。
「たぶん……見つけてほしかったんだと思います」
「ナオさんに……本当の僕を」
July 24, 2004 in rose_薔薇編 | 固定リンク
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