薔薇と百合の狭間に咲く花の香り

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rose vol.12

振り向くと、悪戯っぽい目でケイがこちらを見ていた。
「バカ、そんなソファじゃ二人寝られねーよ」
「僕は狭くないです……ナオさんとなら」
軽い眩暈を感じて俺は額に手を当てた。
「ケイ……お前……」
知らず知らずこぼれる笑みと、足の震えを押し隠すように、乱暴にソファに近づく。

二人分の体重を預けると、古いソファは軋んだ音を立てた。
まだ冷たい肌に掌を滑らせると、ケイはくすぐったそうに身を縮める。
湿った髪を指でかき上げ、唇に軽く触れると、仄かに紅茶の香りがした。

今まで見たことがないケイの表情。それを知ったからといって、ケイのすべてがわかるわけではない。けれども。それでも。
「ナオ……さん」
繰り返し訪れる暴力的な熱の波に、甘い吐息も、苦い記憶もすべて押し流されていく。

(俺はケイを見つけることができたのだろうか?)
(そんなことは、もういい)
確証など、どこにもない。ただ、今、目の前のケイの身体を抱きしめることができれば、それだけでいい。

「……コンポート」
「ん?」
「今度、持ってきますね」
眠りに落ちる前、ケイが思い出したように呟いた。

ソファから見上げると、汚れたガラス越しに朝の光が射し込み、研究室の天井に複雑な模様を描き出している。
急激な眠気に襲われ、俺の意識はまどろみの中へと静かに遠のいていった。

August 7, 2004 in rose_薔薇編 | 固定リンク

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ん~ 萌える (^-^)

投稿者:日刊ゲイ新聞編集長 at Dec 7, 2005 3:57:20 AM

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