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ツッコミ論
お笑いコンビのツッコミの仕事って地味に見えますよね。
何ならボケと比べると簡単、誰にでもできるくらいに
思っている方も世の中少なくないのではないかと思います。
今回ご紹介するのは、最近漫才の台本を書く仕事が
あったもので思い出した、僕の師匠とも言える芸人で
元・フォークダンスDE成子坂のツッコミ役だった
村田渚さんの言葉です。
『ボケ役がボケた,でもそれが笑いにならんかった・・・
そしたらツッコミ役は、何としてでも笑いを取らなあかん!
相方、つまり自分が日本一オモロいと思ってるヤツが
自分でオモロいと思った事を言い切ったわけや、
そしたらボケ役はもう何もでけへん。
そこで最後の懐刀を抜けるのはツッコミ役だけなんや。
ツッコミ役はなんぼスベってもかまへん!
ただ、ボケ役がスベったと思われたら、
コンビとして大損失やろ。
せやから、ボケが伝わってへんと感じたら、
ツッコミ役はたとえチンポ出してでも笑いに変えなあかん!』
今の若手芸人の中に、これだけの覚悟&信頼関係を持った
コンビってどれくらい居るんですかね?
笑いを取るのはボケの仕事、
自分は恥をかきたくない、
安全圏から出たくない、
相方がスベったらそれと一緒だと思われたくない・・・
そんなスタンスのツッコミ役が多いように思います。
そして、三村さん、岡田さん、日村さんなどを見ていると
さすがだなぁ、と思います。
もうひとつ、渚さんのツッコミ論を。
『ツッコミ役の一番の仕事は、ボケ役が何を言っても
オモロいという状況を作る事や。
たとえば、ボケ役が手に持ってたパンを落としました、
そしたら「拾うんかい!」でも「拾わへんのかい!」でも
笑いになる。
もし拾ったら、今度は「食うんかい!」でも
「食わへんのかい!」でも笑いになる・・・
こういう何を言っても笑いになる状況の中で
ボケ役は自分のセンスとその場の空気から
一番オモロいと思うボケをチョイスしていくんや。
どっちに転んでもオモロい状況へどれだけ
ボケ役を誘導し続けられるかが、ツッコミ役のウデなんや』
最初の言葉は乱暴にまとめるなら
「ツッコミの仕事とは、進んで恥をかくこと」
2つ目は
「ツッコミの仕事とは、環境を作ること」
・・・まさにツッコミの神髄だろうなぁ。
ボケ役しか残らないコンビと、2人とも生き残るコンビ、
こういうところに差があるのではないかと思います。
来月11日は渚さんの命日です。
渚さんは今のお笑い界を見てどう思っているんでしょうね?
October 10, 2009 | 固定リンク | ()
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コメント
大好きだったですよー、フォークダンスDE成子坂。
ガハハキングで彼らを見たとき、
涙を流して腹がよじれるほど笑ったことを思い出します。
自分と同い年の人たちが、華々しく活躍している姿を見るのも、
楽しみの一つでした。
願いがかなうなら、
もう一度見たいですね・・・。
投稿者:Miyajima at Oct 13, 2009 9:52:59 PM
私も、大好きでした。
あんなに、腕の良いツッコミの方が、
早くに亡くなって・・。
ショックでなりませんでした。
投稿者:ま~ at Oct 25, 2009 11:41:02 PM
僕、いつの間にか年齢が追いついちゃったんですよね。
複雑な気分です・・・
投稿者:(石) at Oct 30, 2009 12:55:56 AM