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てさぐれ!部活もの』製作後記(後編)
僕が「てさぐれ!部活もの あんこーる」を制作するにあたって
考えたこと、今回が完結編(…の予定)です。
最後の「保険」は「最終回」でした。
1期の最終回を分かりやすい「良い話」で終えていたため、
そこから12話“延長”するためにはそれに匹敵する、
それでいて1期を見た後の2期だからこそ見て良かったと
感じられる最終回を用意しなくてはいけません。
実は「てさぐれ!部活もの」を構想し始めたとき、
この作品の大テーマとして僕が考えていたのは
「代々受け継がれていくもの、普遍性」というものでした。
いろんな部活ものアニメがある中で、「キャプテン」&「プレイボール」的な
世代交代劇をメインにした作品っていうのは意外と少ないのではないか?
そんな要素を日常系部活アニメに持ち込んでみるのは新鮮ではないか?
こんなにふざけた部活アニメだからこそ、何かしら人生的な「真理」を
含ませたかったんですね。
さらに実は、それをふまえ、アニメ放送と合わせてコミカライズ作品を
ネットで連載するという計画がありました。
アニメ放送の2〜3ヶ月前からプロモーションとしてコミカライズ作品を
先行で発表し、そっちでは葵が1年生のときの12ヶ月間を描こう、
という計画です。
そして、アニメ放送の最終回に合わせてコミカライズ版の最終回を発表し、
美桜と結愛&陽菜の卒業をほぼ同時に見せるというプランでした。
双方の最終回をほぼ同時に見た瞬間に、視聴者はそこで24ヶ月が一本の
時間軸として繋がる、という、「トップをねらえ」的な構造です。
僕としてはすごくやりたかったんですが、残念ながら1期も
準備がバタバタだったこと、そして思いの外、毎週ラジオも作るというのが
大きな労力になったため実現しなかったのですが、「てさぐれ!本もの」には
葵の入部シーンを1話だけ収録してもらうことができました。
これがあったために、葵の設定だけちょっと細かかったり、
居ないはずの美桜先輩の設定があったりしたんですね。
で、そんな背景がありつつ、10月に行われた井上のライブ
「大友秋祭」で水原薫さんと再会し、その席で
「なんで『てさぐれ』に私を出さないんだ!
石ダテさんもあれか、所詮若い女にしか興味ないのか!」
というありがたい苦情(?)をいただきました(笑)
11月半ばに福原さん(チャラP)から連続第2期の話を聞かされ、
真っ先に浮かんだのは「時間的に間に合うのか!?」ということと
「最終回どうしよう!?」という2つの大きな問題でしたが、
上記のおかげで比較的すぐに2期の最終回案を思いつきました。
美桜先輩を演じられるのは水原さんしかいない!
キャラ的にももちろんですし、あの成熟したメンバーの中に
突然放り込まれても、数多の死線をくぐり抜けてきた水原さんなら
部長という大役をこなしてくれるはずだ、と。
もちろんこれまで僕の作品をご覧いただいているユーザーさんなら
嬉しいゲストになるでしょうから、それも「保険」になりますし。
ただ、それだけでは「1期の最終回の二番煎じ感」がまだ強いのと、
「ゲストに逃げた」と感じさせてしまう恐れも強いと思い、
さらにもうひとつ「保険」として井上に『ちゃんとStandUp!!!!』を
用意してもらうことにしました。
これも24話見てきたユーザーさんにだからこそ嬉しい曲に
なるだろうと思ったためです。
結局、2期の「最終回」という4つめの「保険」でも、井上の功績は
とても大きいですね(『大友秋祭』的な意味でも)。
そんなわけで、「序盤の画が間に合わない遊び」、
「あえて焼き直しのOP&ED」、「2期にしかない要素の文化祭ステージ」、
そして「水原さんゲストの葵メイン最終回」、という4つの大きな「保険」を
用意できたおかげで、この限られたスケジュールの中でなんとか
「キャストの成熟/悪のり」をメインコンテンツにした
セカンドシーズンを用意することができました。
加えて、毎週ラジオとの「合わせ技一本」で評価してもらえる、
という構造(これはこれで「保険」)は僕にとってとても
やりやすい環境でした。
これがあったおかげで本編内でフットワーク軽くいろいろな挑戦を
することができました。
唯一、大きな「心残り」があるのは、あんこーる9話&10話で
シナリオ的な息切れをしてしまったこと・・・。
あんこーるは4話ずつの収録で、シナリオも4本ずつ用意しなくては
いけなかったのですが、キャストさんのスケジュールがなかなか合わず、
「この日を逃すと次いつ集まれるか分からないから!」という理由で
収録スケジュールが巻き巻きだったんですね。
収録が終わった瞬間に「次回は2週間後です!4本撮ります!」という具合。
毎回、収録に向けて気力を振り絞って4本ずつ台本を用意し、
「この収録を乗り切れば、一度シリーズ構成を立て直せるはず!」と
自分に言い聞かせて全力疾走を続けていたのですが、
結果的に毎回2週間しかシナリオ製作期間がなく
(しかも僕のスケジュールとしては前半1週間は4本分の音響編集)、
立て直せる時間を作れずに9話10話で息切れしてしまいました。
特にこの3回目の収録は最終回のシナリオに神経を使わなくては
いけなかったこともあり…。
この時ばかりは「なんで4人揃わないと収録できない作品なんて
作ってしまったんだ!」と自分を激しく呪いました(笑)
特に8話の文化祭でアニメ班がものすごく頑張って動かしてくれた
おかげで、余計にその後の9話10話の「息切れ感」が際立ってしまう
という、悔しい結果になってしまいました。
(※アニメ班の人たちは何も悪くありません。僕の責任です。)
これは大きな反省点として次回以降の作品に生かせたら、と
思っています。
さて、こんなところで全部書ききれたかな?
勢いで書いてしまったものでもしかしたら追記したいことも
出てくるかもしれませんが、ひとまずこの製作後記を終わりたいと思います。
ユーザーの皆さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、
「てさぐれ!部活もの」に関わってくれた全ての方々へ
大きな感謝の気持ちを込めて。
半年間、ありがとうございました!!!!
あっ、4月20日のイベントにいらっしゃる方とはそこでお会いしましょう。
April 13, 2014 | 固定リンク | ()
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