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仕事で“友人”を起用するということ
ちょっと真面目なお話。
いろんなプロデューサー業の友人から
「俺は自分の仕事にプライベートな友達を巻き込むことはまず無い。
少なからず友達ならではの『甘え』が生じて、メリットよりも
リスクの方が大きいからだ。石ダテはそのリスクを恐れないのが
凄いところだが、甘い(プロ意識が低い)とも感じる」
という話をされる。
よく聞く話だし、もちろん理解はできる。
僕が自分のプロジェクトに友人を誘いたいのは、
きっと自分も非ビジネスの立場だからだろうと思う。
むしろクリエイティブな役職の人が「仕事だ」と
割り切った時のパフォーマンスの【低さ】の方を
よく知ってしまっているから。
だからこそそういう話をしてくれた人たちとは違って、
それがうまくハマらないこともあるからちゃんと
事前シミュレーションして一緒にやっても良い相手か
どうかを見極めなくてはいけないと思いつつも、
僕はあえて「仕事」としてのみのつながりしかない相手は
出来るだけ使いたくないし、一緒に仕事をするからには
お互いにプライベートまでさらけ出して友人として付き合いたい。
こっちが割り切れるってことは相手も無責任になれるってことだから。
今のところアニメ作品では、それぞれの立場の人がギャラの割には
ものすごく労力も大きく求められるハードルも高いプロジェクトばかり
担当してきているので、仕事と割り切れてしまう人がチーム内に
多いほどそれをクリアできる可能性が低くなる。
なので僕は、ここ一番!っていう時ほど友達に頼りたい。
仮にそれが一か八かでも。
「プロ意識」とはリスクを回避することだけではないはずだ。
むしろこういう非ビジネスの専門職においては、それよりも
「他の人には出来ないパフォーマンスを実現できる可能性を高める」
ということの方が重要ではないかと思っている。
そしてなにより、チームメイトが友達ならたとえそのプロジェクトが
うまくいかなかったとしても、後で最高の笑い話にできるじゃないか!
「ビジネス」ではなく「(ビジネスをも含めた)人生」ということに
軸足を置いて考えたとき、これほど大きなリスクヘッジはないのだ。
生放送ということで他の現場よりも強いチームワークが求められた
「みならいディーバ(※生アニメ)」は、友達を集めたことが
これまでの作品の中でもっとも上手くいった現場だったと感じている。
October 8, 2014 | 固定リンク | ()
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