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叶ってから“夢”だと知る、の巻
3月一杯で構成を担当していた『5時に夢中!』という番組を
外れることになりました。
ここのところアニメの仕事が佳境に入ると他の作家に代わって
もらうことが増えてご迷惑をおかけしてしまっていたので
きっぱりと辞めさせていただくことにしました。
実はこの『5時に夢中!』、現在僕がレギュラーで放送作家をしている
唯一の番組です。
アニメの仕事が増えて急発注に対応できなくなってしまっていたもので
ここ数年放送作家の仕事を縮小してきていたのですが、この番組だけは
母が大ファンだったためにできるだけ最後まで続けようと頑張ってきました。
これで放送作家としての全レギュラー番組が無くなったことになります。
今後もし時間に余裕ができた頃にお話をいただければ引き受けることも
あると思いますが、ひとまず事実上の廃業です。
(『コスコスプレプレ』など、特番はまだ少しあります)
実は僕、このブログにも書かせていただきましたが、以前、
占いで「40歳で夢が叶う」と言われていました。
当時は何が夢だったのか、自分でもよく分からなかったのですが、
もしかしたらこのことだったのかな?と感じています。
僕は幼稚園から小学校低学年まで将来の夢は漫画家になることでした。
高校生の時は芸人になることを決め、大学時代に芸人デビューしました。
きっと僕は子供の頃からずっと「自分の作品を作ること」を
夢見ていたんだろうと思います。
多くの場合、テレビ番組というのは「作品」ではなく消費文化です。
さらにその中で、放送作家というのは他者(演出)の作品制作の
お手伝いをさせていただく立場で、それは「自分が参加している番組」
であっても「自分の番組/作品」ではありません。
このたび、唯一の放送作家としてのレギュラーが3月一杯で
無くなることになり、僕は他者の作品制作のお手伝いする仕事ナシで
アニメ作品の演出/脚本だけ、つまり「自分の作品」を作る活動のみで
生計を立てられるという状態になります。
漫画家、芸人とは少し形が違ったけれど、これは僕にとって確かに
夢が叶った状態で、ある意味ストレスフリーな制作環境だなぁ、と
しみじみ感じています。
2014年4月スタートの『F2-X』から本格的に放送作家として
活動させていただき丸10年になります。
(ちなみに芸人デビューは1996年1月のテレビ番組だったと思うので、
おそらく今年が業界生活20周年です)
キー局のゴールデン番組からMXのパンクな情報番組に至るまで
放送作家としてたくさんのことを勉強させていただき、
今のアニメ制作につながっています。
そしてこの放送作家経験から、自分が作るアニメ作品の
関連ラジオや関連イベントの構成/演出を自分でできるということも、
包括的なコンテンツとして現在僕の作品のとても大きな武器になっています。
4月からは心機一転、これまで以上に良い作品を残せるよう
精進していきたいと思います。
うん、やっと“不惑”らしくなってきたぞ!
10年間、放送作家としてお世話になった皆様、
アニメ監督/脚本家としてお世話になっている皆様、
引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
March 5, 2015 | 固定リンク | ()
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コメント
おはようございます。突然すみません。
私は霜良美と言います。京都在住46歳、主婦です。
お伺いしたいことがあり、投稿させていただきました。石ダテさんは今も「すべらない話」の構成に携わってらっしゃるのでしょうか?
ブログこれからも読みます。いい感じで好きです。
投稿者:霜良美 at Mar 11, 2015 9:31:42 AM