« 噛み合わない議論 | ■トップページ■ | Twitterをやめてみました。 »
構成作家の仕事
テレビ業界(ないしはコンテンツやメディア業界)において、構成作家の役割って意外と多岐に渡るけれど、ひとことで「何のために居るか?」っていうと「マーケティング作業を吹っ飛ばして制作フットワークを軽くするために居る」っていう側面が一番大きい。
いちいちマーケティングなんて取っていられないスピード感の現場で、今どうしたら、何をしたらお客さんを満足させられるか?っていう問題を有識者として解決するために居る職業だ。実はディレクターがとても優秀ならば必要ない。
とはいえディレクターっていうのは実作業が大きいので知らず知らず入り込んで主観的になりがちだし、拘束時間が長いのでなかなか市場調査まで手が回らないことが多い。
それをフォローするために構成作家っていう仕事はある。
一般の仕事で言えば「コンサル」に近いかもしれない。
なので常にアンテナを高く張ってユーザー心理を理解していないといけないし、あらゆる問題に対処してお客さんが満足できるものを用意できる引き出しを持っていないといけないし、そこへ自分の個人的な好みなんて持ち出しちゃいけないし、新しいことへのシミュレーション能力が高くなくちゃいけない。
人間である以上もちろんそれを完璧にできる構成作家なんてまずいないんだけど、「なんのためにいるか?それはいちいちマーケティングをする代わりにいる」って意識だけは絶対に忘れちゃいけない。
そして結果には常に責任を持たなくちゃいけない。
視聴者代表として不満点を列挙するだけでもいけないし、主観的に思う面白いことを提案するだけでもいけない。
視聴者の要望を理解して、それを具体的に解決する方法を見つけて、かつ論理的に説明できなくちゃいけない。
だから、「経験」は必要だけど視聴者と「価値観」や「年齢」が離れすぎてもできない、っていうなかなか厳しい仕事。
February 20, 2017 | 固定リンク
| (
)