« 『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』拝読。 | ■トップページ■ | とある訃報を受けて… »
『劣化するオッサン社会の処方箋』拝読。
『世界のエリートはなぜ〜』にとても感銘を受けたので、同じく山口周さん著の最新作を読んでみました。
こちらもベストセラーになっているようで、とにかくめちゃくちゃ面白かった!
簡単に内容を説明すると・・・
日本の大企業では社会的に存在価値が無くなってしまった「オッサン」の大量生産が今なお行なわれている。
「オッサン」の定義は以下。
1:古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する
2:過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない
3:階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る。
4:よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
ひとことで言えばバブル期以前に入社した「縦社会的なザ・サラリーマンタイプ」かな?
「偏差値の高い大学、一流企業に入りさえすれば、一生安泰」という物語を若いころに信じ込まされ、努力してきたにもかかわらずハシゴを外されてしまった人々だ。
この人たちは残念ながらこの変化の早くなった時代でリーダーシップを取ることはできない上に、若い人たちの成功まで邪魔していて社会の大きな弊害になっている、とのこと。
その世代に多いというだけで、その人たちの影響を受けている下の世代でも「オッサン」の人はいるかもしれない。
もちろん男女問わず。
これまで年配の人が重宝されてきたのは主に「情報とノウハウの蓄積」という機能によるものである。
しかし、デジタル化&インターネットによって誰もが情報もノウハウも簡単に記録&アクセスできる現代社会において、もうオッサンが若い人に敵う手段はほとんどない。
フットワークが軽いのも、新しいサービスを考えられるのも、脳の処理速度が速いのも圧倒的に若者だ。
そんな中、平均寿命は近い将来100歳になり、多くの人が80歳近くまで働く社会がやってくる。
さて、今後「オッサン」はどのように働いていけばいいのか?
1、もう年功序列は忘れて、若い世代とビジネスパートナーとして対等に付き合え
2、有能な若い人を見つけたら、自分が持つ金脈と人脈をそいつに注ぎ込め
3、若い人の唯一の弱点は「新しい情報」と「普遍的な情報」を同等に扱ってしまうところだ。
新しい情報は廃れやすく普遍的な情報の方が長く使える武器になるから、それに関してのみアドバイスしてやれ
(つまり、普遍的な情報=「教養」をしっかり身につけて「美意識」を持て)
プライドを捨てて全力で若い人のサポートに回れ。
そうすればあとは若い人たちがどんどんイノベーションを起こして社会を良くしていってくれる。
それが今後の社会で「オッサン」が役に立つ唯一の方法だ。
======================
(読み直して正確に要約したわけではないので、僕の主観が入っていたらごめんなさい)
ざざっと要約したのでだいぶぶっきらぼうな言い回しになってしまったけれど、実際はひとつひとつ細かい客観的データを紹介しながら、丁寧に読みやすく書かれていてとても納得感があった。
前作同様、あまりにも面白くて止まらなかった。
なかなか残酷な内容ではあるが、真実だろうと思う。
またいろいろとつながって頭の中がスッキリした。
ただ、もしこれを読んで素直に受け入れられる人だったら、きっとここに書かれている「オッサン」にはなっていないんだろうな、とも感じた。
30代以上の社会人には男女問わずぜひ読んでもらいたい。
February 8, 2019 | 固定リンク | ()