「ムツゴロウ最高」は僕がはじめて書いたblog記事ですが、ちょっと今ムツゴロウのアイドル的側面を上手に描写した記事を見つけたので、以下、紹介させていただきます。
このたび紹介する記事は、日々是好日さんの中に書かれた「ムツゴロウ氏の勇気」です。
この記事は、有名な「ムツゴロウ、ライオンに噛まれる」事件について書かれたものです。まず、冒頭では、
そのシリアスな出来事は、テレビで浸透しているほのぼのとしたムツゴロウ氏のイメージの破綻を印象付けたように思えた。
と書かれています。確かにそういう側面もあるのかもしれませんが、少なくとも僕に限って言えば、全くイメージは破綻していません。むしろ強化されました。
記事の作者は、昔からムツゴロウファンだったようで、中学生時代は著作などもずいぶん読んでいたそうです。その後テレビシリーズで、動物好きのおじさんとして親しむようになったそうですが、
今日、その最新作がテレビで放映された。驚いたことに、番組の終わり近くで、ムツゴロウ氏がライオンに指を噛み切られるシーンがそのまま放映された。
で、かなり衝撃を受けたご様子でした。確かに、ほのぼのとした番組を見ていたつもりなのに、突如としてグロ画像ですからね。胃の中のもの全部吐いたとしても不思議ではありません。
その後、番組の模様が正確に描かれます。以下、抜粋します。
起き上がってライオンは軽くひっかいたりなめたりする動作を畑氏に対してしている。一瞬、畑氏の体が硬直したようになり、網にかけた右手に力が入っているようす。何度か右手を引こうとするが、動かないらしい。数秒後、網から手が離れ、畑氏は無表情で振り向き、右手を前に差し出した状態で網から離れて歩いていく。周りからは大声で叫ぶ声がする。畑氏の右手中指の先は欠けて、骨が見えていたように思う。ナレーションによれば、第一関節から先が食いちぎられたという。病院へ急行して治療し、ふたたび戻ってきた畑氏は右手の手首から先に大きく包帯がまかれていたが、畑氏は笑顔で現れ、ライオンの持ち主と抱擁した。
迫真の描写です。特に「右手を前に差し出した状態で網から離れて歩いていく」の部分。緊張感が読む側にも伝わってきます。
予断ですが、「右手を前」でGoogleイメージ検索をしてみたら、こんな結果が出てきました(元サイト)。
記事の作者は、ムツゴロウが指を噛み切られたときも全く動揺しなかったことを、以下のように絶賛します。
あのように振舞える人がほかにいるとは思えない。
全くもって僕もそう思います。ただ、僕の場合は、ムツゴロウに関しては常にそのように感じていたのですが……
その後ムツゴロウは、ライオンが自分を噛んだ理由について、若干矛盾を感じる説明をしたあと、以下のようなコメントを残しました。
動物というのは本当に優しい心をもっている。こんなかわいいライオンにだったら、指だけでなく体全部を食われたっていいと語った。
キタ━━ヽ(゚∀゚)ノ━( ゚∀)ノ━( ゚)ノ━ヽ( )ノ━ヽ(゚ )━ヽ(∀゚ )ノ━ヽ(゚∀゚)ノ ━━!!
「食べられちゃいたい」発言ですよ! はにかむように本音を漏らすムツゴロウの姿が目に浮かびます。
ムツゴロウ、可愛いです! 萌えます。
でも、彼のこの意見には、ちょっと同意できないですが……
ところでまたちょっと予断ですが、5、6年くらい前かな、パリでフランス人を殺して食べて逮捕された佐川一政さんと話していたとき、「いやーこの前、『ファンです』っていう女子高生が寄ってきたから食べちゃったよ」という話をしていて、その場にいた全員で「『食べた』ってどっちの意味だよ!」と突っ込んだことを思い出しました。
この文章の末尾は以下のように締めくくられています。
それを勇気と呼んでいいものかどうか。人によってはそれはもはや狂気ではないかと言うかもしれない。ともかくも僕は彼の姿に感動したし、敬意も感じたのだ。
記事の作者自身、このエピソードが普遍的に感動を呼ぶものなのかどうか、若干自信がないようです……
いえいえ自信を持っていただいて構いません。ムツゴロウ、超ラブいですよ。ユネスコの皆様、どうか彼を世界遺産に登録してはいただけませんでしょうか……