「毎日かあさん」はエッセイ漫画スタイル。息子と娘との日々の生活を、独自の視点で紡ぎだして行きます。
西原理恵子の作品は、大きく分けて「ぼくんち」のような心にジンと来る系の物語と、「鳥頭紀行」のような無茶苦茶でダークなエッセイ漫画の2種類がありますが、この「毎日かあさん」には、両方とも詰まっています。そこがこの漫画が西原理恵子の真骨頂的なオーラをまとうところ。
子供たちとの毎日の中には、笑い飛ばすしかないような馬鹿馬鹿しい救いのないことから、一生の思い出になるような感動することまでが、みっちりと詰まっているようです。「毎日かあさん」では、その日の出来事と西原さんの気分に合わせて、そのどちらかが使われたり、あるいは両方混ざってきたりしています。
まさに「何度生まれ変わっても、おかあちゃんがいいや」の世界。一度読み出すと、一話完結型にも関わらず、目を離すことができません。
うらやましいのはこの漫画に出てくる子供たちです。
「毎日かあさん」には、子育て絵日記的な要素があると思うんですよね。
この子たちが大人になって、そしてこの漫画を読み返したとき……そこには、自分がかすかに記憶にあったり、あるいは全く身に覚えのないような、美談や暗黒の思い出が、丁寧に記録されているのです。
いいなあ。「毎日かあさん」は文化庁メディア芸術祭賞を受賞したらしいですが、そんなものとらなくたって、全く売れなくたって、この漫画は、子供たちと、そして西原さんにとって一生の宝物になると思います。
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