インターネットでの表現に関して僕が最も尊敬している人が、かつて、こんなことを言ったことがあります。
1995、6年からつい最近まで、毎日のようにお昼のお弁当の写真をホームページにアップしている人がいた。
コンテンツはそれだけ。ひたすらお弁当の写真のみ。インターネットは、こういう人たちによって作られているのだと思う。
Yahoo!や楽天じゃなくて。名前を出していいという許可をもらってないので匿名
僕はこの意見に2億%くらい同意します。仕事で何かを企画する時は、常にこのことを頭の隅に置いています。
だから、昨今、別に仕事でもないのに、楽しみながらしかし一生懸命ブログ書いている多くの人たちがいるというこの状況で、↓こういうこと↓を言えるというのは……
最近ブログつまらなくないですか?
しかしながら、魅力的な文章でアクセス数を集めたブログの書き手たちはいつしかその熱量を失い、牙を抜かれた獣のように「丸い」文章しか書かなくなって
こうして、いつのまにか日本のブログは「なんだかつまらない」ものに成り下がっているように見受けられます。
『ブログはなぜつまらなくなったのか』、そして反対に『個人メディアがおもしろくなっていくには今何が必要なのか以上、2007-11-23: RTC Vol.28:『ブログ限界論』より。
僕の視点から見ると、ブログ書いてる人に失礼だと思うだけではなく、そもそもインターネットを形作っているものについて多少誤解があるんじゃないか、という気がしてしまうのです。
しかもこれを書いたの、newsingを運営している会社の社長さんの上原さんですよね?
newsingは、ここで言われている「つまらないもの」がCGMによって大量に存在しているという世界が前提にあって、はじめて成り立つサービスなのだと思うのですが、なのにそもそもの母体を否定して攻撃してしまっては、ご自身のサービスにとってもプラスはない気がします。
ところで、このたびアルファブロガー・アワード 2007を手伝ってて感じるのですが、今のブログは、数年前より確実に面白いと思います。全体のクオリティが底上げされている。
でも母数も増えてるから、面白くても埋もれがちなんですよね。
これからが、日本で本当に、はてブやnewsingのようなソーシャルニュース(それとブログメディアとかアルファブロガー・アワードのようなコンテスト的なもの)が「埋もれているものを掘り起こす」役目を果たすために。重要になるときなんだと思います。
日経BPの先週末の上原さんのインタビューを読むと、
Q:今後のnewsingの展開について教えてほしい。と考えていらっしゃるようですので、「お前らはつまらないよ」とブログ書いてる人に責任を振るのではなく、ぜひ「その中から面白いものを効率的にすくい上げる」仕組みや工夫を期待したいところです。
A:私は、ソーシャル的なことが大好きですので、そこを強化していきたいと思います。
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※この記事は、昨日夜中に公開したものを、いったん閉じて検討の上、再度公開したものです。内容は昨日上げたものと変わっていません。
ソーシャル・ウェブ入門―Google、mixi、ブログ…新しいWeb世界の歩き方
滑川 海彦 (著)