たった3部しか刷らないという、恐ろしくクールなフリーペーパーを作っているラーメン屋が浦安にあるのですが、
そのフリーペーパーの今号で、以前書いた「エコな図書館、じてんしゃ図書館」に載せた写真を使っていただきました。ありがとうございます!
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ラーメン屋の名前は「麺屋永吉」(地図)。
隣のパチンコ屋と全く調和する気がない概観が目印です。
味はアッサリ系の豚骨+魚介系+醤油。1杯1杯を丁寧に作りこむ、いわゆる「魂をこめた本格ラーメン」系です。
つけ麺で有名だそうですが、ラーメンもおいしいし、チャーシュー丼もたまりません。
変わったところでは「伽哩(カレー)つけ麺」。カレーのスパイスがしっかりと効いていて激旨。個人的にはこれが一番好みでした。
ここまで読んだ方は、ランチは間違いなくラーメンかもしれませんね。
店主さんは以前洋服のデザイナーだったのですが、自分の作品を着てる人と直接顔を合わせることが少ないアパレル業界に限界を感じ、27歳で退職。
その後ラーメン屋になることを志し、まずフランス料理屋で3年修行して、その後ラーメン屋で3年修行し、その後修行先のものとは全く違うラーメンを創り出し、今に至るのだそうです。
で、
このお店でしか読めないフリーペーパーに、このたび写真を使っていただいたわけです。
今号のテーマは「『割り箸』から『洗い箸』への変更について」。お店の方が、たまたまテレビで「じてんしゃ図書館」を観て、「百年の愚行」を知り、読んでみて、衝撃を受け、何かできることはないだろうかと考えた結果、今後はお店で割り箸ではなく洗い箸を使うことにした、そんなことが、イラストと文章と写真で説明されています。
個人商店のような形態の場合、ほんのささいなことでも、お客さまからのクレームが来ることは避けたいと考えるのが人情だと思います。
でも勇気を出して、思い切って洗い箸にしてみたら……全く問題なく、気持ちよくお客さまは使ってくれたとのこと。
ささやかなことでも、手を抜かず1つ1つ検討していく。ちなみにフリーペーパーも、ラーメンを待ってるお客さまが退屈しないようにと作っているそうです。
このラーメン屋はいつも行列が絶えないのですが、人気の理由は味だけじゃなくて、こういう細部への気配りもあるんじゃないかなと思いました。
ところで、今回のこの件は、麺屋永吉の方から、「写真をフリーペーパーで使わせてくれないか」とメールが来たところからはじまりました。そして僕は今回仕度中のお店にお邪魔して、ラーメンをいただきながら色々お話して、とても楽しい時を過ごすことができました。
この出来事は、僕がブログにじてんしゃ図書館についての記事を書いていて、麺屋永吉がフリーペーパーを作っていたから起きたことです。
そしてもちろん、そもそも「じてんしゃ図書館」というものを土居一洋さんがはじめたから、起きたことです。
何か行動を起こすと、すぐに結果は出ないかもしれないし予想した結果も出ないかもしれないけど、いつかそれが他の何かや誰かとつながって、世界が広がっていく。
このことをゲーテは「恐れずに、したいと思うことをはじめなさい。行動はそれ自体の中に魔法と恩寵を備えている」と言ったんだそうです。
そして何だか、僕は、折に触れてこのテーマをブログに書いてる気がします(これとかこれとか)。
チェンジメーカーって、実は特別な人じゃなくて、行動を起こした全ての人なのかもしれませんね。
チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える
渡邊 奈々 (著)