Link: OhmyNews:がんと向き合あわなければならない ~【医療特集】プロローグ.
して、みなさんが、なぜがんになるのかを知るということが大切です。医療は日進月歩で進んでいます。がんの原因も統計的な結果として、かなりのところまで分かってきました。
その第一番目の原因は喫煙だということが近年、周知のこととなりつつあります。がんの死亡要因のうち、喫煙が及ぼす影響は年々高まっており、そのがんとの因果関係はある程度の真実味を帯びてきています。
タバコの害はよく知られていますが、簡単に言うならば、吸うことで身体の中の活性酸素が増え、それが細胞の中のDNAを傷つけてしまうのです。また、食生活も大きな原因になります。アルコールやコーヒーの飲みすぎ、偏食はもちろんよくありませんし、化学物質や薬品、薬物や紫外線、放射線など、偏った刺激も受けないようにしなければなりません。
人間の細胞は、脳細胞以外は4、5日、遅くても120日で新しく入れ替わります。そこで以前の細胞と同じようになればいいのですが、遺伝子が傷ついて少し違った細胞になることもあります。それがくり返されてがんになってしまうのです。
こういう段階を踏んで発生してしまうがんを「多段階発がん」といいます。遺伝子を傷つけるような生活が続いているとがんになるし、また、もし早期に発見されていったん治ったとしても、前と同じ生活、つまり悪い生活習慣を続けていれば、再びがんになってしまうかもしれません。
でも、逆の発想をするならば、身体にいい生活習慣を身につければ、がんにならないかもしれないし、もしなっても再発しないですむかもしれないということになります。
確かに、生活習慣を変えるのは難しいことです。“がんも身のうち”ということですが、仕事などでストレスを感じて、それを紛らわせるためについつい酒やタバコに逃げていく。それが常習化して、身体を傷つけがんになってしまうのです。また、精神的な原因からがんを発症することも指摘されています。そういう意味では精神的に安定した生活を送ることも大切ですね。
さらに、がんと闘うには自己管理、特に適度な運動と免疫力を上げることが不可欠です。免疫力を持続的に高めておけば、身体の中で日々おこるトラブルに対処することができまます。つまり、生活習慣がいかに大切かということです。がんに立ち向かう、克服するということは自分自身を克服していくということなんです。それががんと闘うための基本的な姿勢ですね。
私が医者として言えることは、「自分に与えられた生を最大限に生きてください」ということなんです。
だからこそ、ときには「生活を変えられないなら、人生を諦めちゃいなさい」とあえて厳しい言い方もする。