Link: livedoor ニュース - 日中お土産考:値札を残すことで伝わると考える誠意.
中国へ帰国するためにデパートにお土産を買いにきたのだろう。いくらのものを買って帰るか。問題は値段である。中国ではお土産の金額がイコール誠意をあらわす。
従って、値札は残しておかなければならない。値札がなければ金額がわからない。金額がわからない、とはわざと金額をわからなくしたということだ。金額を知られたくないということだ。つまり安物に違いないとなる。それゆえ、上のような会話が生まれるのである。
日本人にはちょっと考えられない。もちろん、中国全土がこうだというのではない。この客人は、たずねたところ東北出身ということだった。北方ではこういう習慣があるらしい。また南北を問わず、知識階級とかそれなりの階層ではこういうことは見られないだろう。
日本人もよくお土産を買う。親戚にあげたり、職場の仲間や隣近所に配る。しかし、われわれのそれは温泉まんじゅうとかの菓子類が主で、本当にしるしばかりのものだ。「あなたのことを忘れていませんよ」という気持ちである。
一方、中国のそれはビデオカメラであったり、高価な化粧品であったり、文字通り“礼物”(礼を尽くしたもの)である。
プレゼントの金額を示すということは、相手に何かをしてあげることを悪びれないということだ。これだけあなたのためを思っていますよ、ということを堂々と表す。精力もお金も費やしましたと相手に言う。それでこそ真心が伝わると考える。誠意のストレートな表現である。