カトラー:katolerのマーケティング言論: 安倍晋三の敗北と小沢一郎のサブマリン戦略
Link: カトラー:katolerのマーケティング言論: 安倍晋三の敗北と小沢一郎のサブマリン戦略.
そのことは、夕張市が破綻した顛末を見れば、明らかだろう。道路工事やレジャーランド開発に湯水のように補助金、税金が注ぎこまれた挙げ句に、全てが灰燼に帰した。老人ばかりになった過疎地の一人区の町や村に一度でも立って見れば、人っ子ひとり歩いていないような土地に対してどんなに投資を重ねたとしても、文字通りドブにカネを捨てるようなものであることが誰にだってわかるはずだ。
<略>
100世帯しか住民がいない村に10億円かけて無駄な道路や将来にわたり金食い虫になる公共施設を建設するよりも、年間50万円の真水の所得補償を世帯ごとに行えば、10年間にわたって支給しても、半分の支出ですむ。
その意味で、小沢一郎が提唱した農家に対する所得補償とは、富の分配ルールと手法の転換の先取りを意味するものといえるだろう。それに対して安倍自民党は、「カメラ目線」に象徴されるように、憲法改正、戦後レジーム脱却といった東京のマスコミばかりがネタにしやすい政策やビジョン提示には熱心だったが、一人区という足下に打ち込まれた楔や農村に広がっていた離反ムードに無頓着であり、あまりに無策であった。