こんばんは。ミミーです。
私は、いま外資に勤めているからか、日本人とは、というようなことを考えることが多い。
ちゃんと学んだことはないし、「日本人」としてまとめて考えるのは危険だとは思うのだけれど、比較文化論的な記述はいつも興味を持ってしまう。
その中でも最近面白かったのは、この本。
偶然を生きる思想―「日本の情」と「西洋の理」 (NHKブックス 1118) | |
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「日本の『もののあはれ』には悲壮感の表出はない。無常だからこそこの世は素晴らしい。ここに見られるのは世界を恬然と肯定するしなやかさで、したたかな現世主義だ。日本人は世界の有限性を認めてその事実を甘んじて受け容れるが、その世界観には神も外部も目的論も無縁である。日本人は超越論的絶対者を求めない。求めないというよりか、その必要をまるで感じていないのだ。したがって無常の美学はペシミズムにはなりえても、厳密な意味でのニヒリズムとは無縁である。なぜならニヒリズムとは至高の「価値」の喪失に対する絶望的な確認であるからだ。そもそも至高の価値、超越論的絶対者をもたない日本の思想的風土にはニヒリズムは育ちようがない。日本人は「超」現実主義者である」
他にも、フランス文学者である著者ならではの、言葉や文章から読み取る日本と欧州の違いがとても面白い。興味のある人にお勧めです。
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